血液型占いを看護師が楽しむ時に

占いというものは不思議なもので、人と気軽に話す糸口になったり、当たった、当たらないとふざけたりして、楽しい話題のひとつです。看護の仕事をしているあなたも、血液型占いを聞いたことがあったり、友達や上司、同僚を血液型から分析したことがあるかもしれません。このように個人が遊び感覚で楽しむことは自由ですが、看護師として血液型占いに接する時は注意が必要です。【参考Webサイト:ナースの血液型診断
ご存知のように血液型占いとは、ABO式血液型を基にしていますが科学的根拠がありません。エビデンスは存在しないと、医学的にも心理学的にも言われています。また、このような考え方はアジアの一部だけに存在し、世界からは奇妙に捉えられています。その時々の話題性の影響で、血液型で先入観を持ったり人をこういう人だ決めつけたりすることで、トラブルになることもあり、最近では「ブラッド・ハラスメント」という言葉も聞かれます。
また、近年では出生時の血液型検査を行わない傾向にあります。新生児はまだ抗体がつくられておらず、母体から移行した抗体が反応することもあり、血液型が正しく判定できない可能性が高いのです。正確な血液型判定は、個人差を考えると小学生以降がのぞましいとされています。手術や輸血が必要な場合には、必ず血液型検査を行うため、血液型を知らなくても良いとする考え方が広まっています。
このように、血液型に関する考え方や対応は変化してきており、看護師のあなたは血液型占いとの付き合い方を、もう一度考え直してみて下さい。そして、日常的に様々な事柄を科学的見地から考える姿勢を持つようにしましょう。